正月の鯛

お正月に食べる縁起物と言えば何を思い浮かべますか?
赤い色も華やかな、そうアレです。
そういうと、近頃では伊勢海老やカニを真っ先に思い浮かべる人が多いと思います。
しかし日本人と言えば忘れてはならない食材がありますよね。
そう、『鯛』です。
ご存知の、高級食用魚。
日本古来から大変親しまれているものです。
昔は将軍もその赤い色から、縁起物として食べていました。
遺跡から鯛の骨が発掘される事もあり、古来より日本では馴染み深い魚であった事がわかります。
味が日本人にぴったりだったこともあるようです。

おいしい正月 鯛ならこちらがおすすめです。

今では『めで鯛』などとシャレで言われることはありますが、縁起物として食べられる機会はめっきり減っているような気がします。
つい一昔前の日本では、お正月にはかかせない食べ物だった鯛。
元旦は尾頭付きの塩焼きで、二日目には雑煮にして食べたりする事もありました。
鯛の出汁は上品なのに濃厚で、日本人の味覚にとても合うのです。
鯛は高級魚でしたので、まさにお正月だけに楽しむことのできた贅沢だったんですね。

鯛は正月の縁起もの

『鯛』というと、塩焼きをイメージする人も多いでしょう。
鯛は姿が非常に美しいため、そのままで調理する事が多いのです。
しかし素人が姿良く焼くのは意外と難しく、やはりそこはプロの方にお任せしたいところですね。
専門店で焼いてもらった鯛は、白身魚にありがちな味の薄さや水っぽさなどもなく、ジューシーでほくほく。
美味しい鯛を食べてみれば、また「お正月に鯛」という風習も再び行われるかもしれませんね。
目からウロコが落ちる事間違いナシ!

風習と言えば、各地で鯛にまつわるものがいろいろあります。
有名なものでは京都の「にらみ鯛」。
お正月の三が日に鯛を食卓に並べつつも箸は付けず、4日目に改めて調理をし直して食べるという変わった風習です。
それから北海道では「口取り菓子」というものがあります。
これはおせちを食べた後にいただくもので、お正月の縁起物の形をした白あんのお菓子です。
もちろん、鯛もかたどられているんですよ。
見た目も美しく、気持ちが晴れやかになります。
それから三重県では「掛鯛を神棚に飾る」風習があるそうです。
「掛鯛」とはわら縄で縛られた鯛のことで、飾りに使われるんですね。
神棚以外にも門松につるしたりする事もあるらしいですよ。
日本各地で『鯛』を使った縁起物がたくさんあります。
このことからも、日本では『鯛』がお正月にかかせない食材であった事がわかりますね。

お正月に縁起を担いで鯛の尾頭付きを用意しても、実際には食べきれるかわかりません。
なんせ大きいですからね。
しかも鯛は骨も太くてたくさんありますし、小さな子供には食べにくい魚かもしれません。
しかし残して捨てるなんてもったいない!
鯛はアラを煮ても、大変素晴らしい出汁が取れます。
ですから残った鯛は身をとりのぞき、骨で出汁を取ってご飯を炊き、最後に身を混ぜて「鯛めし」を作る事をオススメします。
こうすればムダもなく、しばらくお正月気分が楽しめますので一石二鳥。
最近では馴染みのうすい鯛かもしれませんが、お正月を機に食卓に並べてみてはいかがでしょうか。
他にもネットで検索すれば、たくさんのレシピが紹介されています。
参考にしてみてください。

正月鯛の食べ方

めでたい気分を味わうのでしたら、なにも鯛を尾頭付きでばかり食べなくても良いんです。
鯛はお刺身にしてもとても美味しいし、色もピンク色で華やか。
大皿に盛りつければ、食卓が一瞬で華やぐこと間違いありません。
身はたんぱくで食感も柔らかですから、老若男女に好まれるでしょう。
お正月気分を盛り上げたいなら、お皿を豪華なものにすればバッチリです。
その美味しさにきっと箸が止まらないでしょう。

ひとことで『鯛』と申し上げてきましたが、鯛にもさまざまな種類があります。
赤い色がめでたい席に好まれる「真鯛」、お刺身も美味しい「黒鯛」辺りが有名でしょうか。
縁起物として尾頭付きで焼かれるものは「真鯛」が多いのですが、大阪の方では「黒鯛」を使う事もあるのです。
その理由は、「赤い鯛は『赤字』を連想させて縁起が悪いから」というもの。
どうせなら黒字に・・・ということなんですね。
さすが、商人の町!
その心意気には脱帽です。
しかしその裏では「黒鯛の方が安いから」だという説も。
そんな抜け目のなさも、商人の町らしいですね。

さて、鯛の魅力をたくさんご紹介してまいりました。
どうですか?
香ばしく焼いた塩焼きの鯛、食べたくなって来ませんか?
ところで、「鯛の塩焼きは専門店が良い」と先ほど言いましたが、実際「専門店てどこにあるの?」という感じですよね。
そこで便利なのがネット通販。
今はなんでもインターネットで購入できますよね。
鯛の尾頭付きだってその一つ。
インターネットで探せることのメリットは、自宅にいながら注文できるのもそうですが、いろいろなお店を比べられる事。
それからレビューなどを参考にできる事。
おせちも予約をして買う時代ですから、そのついでに今年は鯛も予約してみてはいかがでしょうか!
予約しておけば、焼いて時間が経ってしまった・・・なんて言う事もありません。
いつもと違うお正月の食卓に、集まった人の会話も弾みそうですよね。

鯛はみんなの人気もの

今の日本で一番人気の魚といえば「マグロ!」と答える人も多いでしょう。
しかし、日本の風習を大切に考えるなら、今こそ『鯛』を見直してみるのも良いかもしれません。
あの恵比寿様だって鯛をお釣りになっているんですもの。
景気・経済を考えたら、今年は断然『鯛』がオススメ!
鯛の尾頭付きを囲みながら、昨年を振り返り、新しい年をどんなふうに過ごそうか考える・・・。
古き良き日本の風景がそこにはあります。
美味しいもの、便利なものは普段の生活で充分楽しんでいるはず。
お正月くらいは伝統を守り、子供たちにそれを伝える時なのかもしれません。
家族そろって迎えられる事を喜びながら、ぜひ団欒を楽しんでほしいと思います。
日本人の心、鯛を大切に・・・なんてシャレはともかく、「めでたい鯛」「楽しみ鯛」でより楽しいお正月を迎えられたら素晴らしいですね。
それでは、めでたい、良いお正月をお迎えくださいませ!!