大みそかの「鯛」
デパートやスーパー、お料理屋さんの「おせち」のパンフレットを見ていると、その「主役」は伊勢海老。重要な脇役として、カニの爪、アワビ、カズノコが並びます。けれど昔は、「おせちの主役は鯛の尾頭付き」と決まっていました。私の子どものころ、元旦の食卓には、尾頭付きの鯛が真ん中にどーんと置かれ、その脇におせちのお重があったという記憶があります。
わが家は両親と私たち兄弟の4人家族。母は12月29日ぐらいから、おせち作りを初めていたような記憶があります。黒豆や栗きんとんなどは早めに作り始めていたようです。煮しめやなます、田作りも自家製でした。スーパーで買ってくるのは、かまぼこと伊達巻、昆布巻きぐらいのものだったのではないでしょうか。主役の鯛は、大みそかの夕方に、近所の魚屋さんへ買いに行っていました。小学生のころは、母といっしょにその「1年最後の買い物」へ行ったものです。鯛 通販のサイトはこちらです。
駅前の花屋さんで正月用の花を買い、魚屋さんへ寄って、鯛を買うのです。おそらく毎年、母は鯛を予約していたのでしょう。売り切れになっていた、ということは1度もありませんでした。その鯛を、元旦に早起きした母が塩焼きにするのです。ふだん、家の食卓に鯛の尾頭付きが出ることはありませんから、その「特別感」は圧倒的でした。
父が最初に箸をつけ、それから母や私たちが食べるというスタイルでした。古い「家長制度」の習慣の、おそらくそれが名残りだったのでしょう。私は鯛の塩焼きが大好きで、「ふだんも食べたい」と思いました。けれど、それを母に言ったことはありません。鯛が高価であることは、母といっしょに買いに行って知っていたからです。子どもなりに「遠慮」したというわけです。なつかしい思い出です。
