実家のお正月での鯛料理
私の実家では、お正月に必ず鯛の塩焼きが出されます。まおせち料理よりも何よりもみんな待ち望んでいて、お正月にしか食べられない、私の家庭にとっては貴重な料理なのです。いつも一日の朝からドーンと食卓の真ん中に鎮座し、明けましておめでとうの新年の挨拶が済むと、大黒柱である父が、鯛をほぐしにかかります。
それを私たちはじーっと眺め、ほぐしてみんなのお皿に渡ったら、一斉に食べ始めるという感じでした。
生まれたときからの習慣なので、どうしてかなど疑問は湧きませんでしたが、おめでたい、というゲン担ぎだったのではないかなと思います。
私は、その鯛を食べるよりも、父が鯛の身をほぐしている横で、それをじーっと観察しているのが好きでした。
魚を捌くのが得意な父は、本当にきれいに身をほぐすことができるのです。
父が料理したあとは、猫も食べるところがないぐらい。
今は魚屋で購入してきた鯛を料理するという感じですが、昔は父自身が海に出掛け、鯛を釣ってくるぐらいでした。
そんな光景を間近で見てきて数十年。
私は結婚して、台所を預かる身ですが、未だに鯛をさばくことが出来ません。
ましてや自分で釣ってくることも。
なので、今では父のことをすごいなと思いますし、結婚して、お正月に実家に帰らなくなった今、あのお正月の食卓が懐かしく思い出されます。か今年は帰って鯛が食べたいです。
